ロングセラー長編小説 北方謙三「水滸伝」 各話あらすじ第1話 のんびりミカヅキ

どうも、ミカヅキです。

このブログでは、北方謙三著の水滸伝についてあらすじや登場人物、名場面名言など、様々な情報を発信していきます。

このブログの使い方にまだ慣れていないので、見辛い所もあるかも知れませんが、暖かく見守って頂けると嬉しいです…(笑)

まず、水滸伝を何も知らない方のために水滸伝について簡単な紹介をしたいと思います。

12世紀の中国、北宋末期。この国は重税と暴政のせいで国は乱れており、民は困窮し、盗賊が横行し、政府は腐敗していました。そんな国を建て直そうとする世直しの志を持った人々の物語です。

簡単に言うとこんな感じ(笑)

中国で書かれた水滸伝の原典を、北方謙三が1から構成し直して矛盾や不自然が無いように書いた作品が今から紹介する水滸伝です。北方謙三が書いた水滸伝の事を「北方水滸伝」と言われます。


本当はもっと詳しく描きたいのですがあまり情報を詰め込み過ぎると書いてる方も分からなくなっちゃうので随時紹介していくことにします(笑)


それでは北方水滸伝 第1話、紹介していきたいと思います。


北方水滸伝 第1話 あらすじ

禁軍(近衛軍)の武術師範である王進は、兵士の訓練の帰りに、変わった容姿の男を目にする。丸坊主で肌は赤銅色の巨体の男である。王進は声を掛けようとしたが、兵士が疲れきっていたので止まるわけにはいかなかった。

王進が訓練をしている禁軍兵は、名門の出が多く、その内には高俅大将の紹介で軍の要職に就いて賄賂を送ったり、不正に稼いだ大金を自分の懐に入れようとする。王進はこの国が腐りつつあるのは分かっていた。

兵の調練を終えて師範の部屋に戻ると王進は師範代の林冲と会話する。王進は以前から禁軍上部に上申書を提出していた。禁軍を精強にする為に、兵の調練に武術の試験を課すべきという内容だったが、賄賂を集める為だと疑われ、却下され続けていたのだ。林冲は王進の上申書には賛成していたが、高俅大将に要らぬ疑いを掛けられるかもしれないと忠告する。

翌日、王進はいつもの様に出仕すると、高俅大将の部屋に呼ばれた。上申書を取り消せ、という事だったが王進は頑なに断った。最近、高俅大将を良く思わない将軍が粛清されていた。王進もそういった将軍の一派と思われていた。3日以内に上申書を取り下げる様に言われ、話は終わった。

兵の調練に戻った王進は何も気にしていないようだったが、林冲は何故3日という時間を与えたのか疑問に思っていた。


…と、大まかにはこんな内容です。

水滸伝は各話で様々な人物の目線で書かれているのですが、第1話は王進目線でした。


第1話を読んでの感想

王進が中心となって話が進んでいましたが、王進はとても真面目だという事がよく分かりました。兵士に厳しく、上司にもハッキリとものを言う性格は読んでいてとても気持ちが良かったです。

また、軍の腐敗も印象に残りました。取り敢えず、高俅大将が賄賂やら不正をしている要職の親玉なんだなと思った。まぁ、絶対悪役だよな(笑)

最初に王進がすれ違った巨体の男の正体も気になる所でした。


名言・名場面

  • 王進「武術家は、武術のことだけを考えてものを言えばよいのだ。」

王進の武術師範としての実直さが分かるセリフでした。こんな男が反乱とかする訳ないじゃないかと思いますけどね。

  • 王進「私は賄賂など受け取ったことはありません。男に対する侮辱でありますぞ、高大将」「いかに高大将であろうと、言ってよいことと悪い事があります」

高俅大将に呼ばれた時の高俅大将との会話でのセリフです。上司に対してもハッキリと言う所は凄いと思ったけどこれのせいで高俅大将の怒りを買ったのだろうな…。

  • 林冲「いやな気がします、王師範。上申書は握り潰せば済み、そうしなくてもやめろと言えるはずです。三日の意味が、私は心配です」

高俅大将との話を終えた王進に対するセリフ。林冲の心配はすぐに的中して物語は進みます。今思えば伏線だったのだと思いました。


登場人物

  • 王進…禁軍武術師範。武術一筋の武術家。とても真面目な性格で武術の事になると上司であろうとも熱く語る。開封府に母と二人暮らしで、師範代の林冲とは親しい仲。
  • 林冲…禁軍武術師範代。槍の達人で、王進とも互角に戦える実力を持っている。王進とは仲がよく、上申書の件で王進を心配している。新婚であり、張藍という名の妻と二人暮らし。
  • 高俅…禁軍大将。帝に気に入られ、大将に新任した汚職軍人。賄賂を受け取ったり、不正をしたりしてる。自分の事を良く思っていない派閥は容赦なく粛清し、王進の事も上申書の件で良く思っていない。
  • 王昇…王進の父。元禁軍武術師範。多分昔に死んでいると思う。
  • 童貫…禁軍元帥。戦好きで童貫直属の軍隊はとても強いと言われてる。王進の教え子、武術はそこまで上手くないが兵法については舌を巻く所がある。
  • 朱仝…地方軍の騎兵隊長。
  • 関勝…洪州の将軍。


用語解説

  • 禁軍…近衛軍、都や帝を守る為の軍隊。
  • 宋…物語の舞台となる国の名前。
  • 開封府…宋の都。
  • 遼、西夏…宋の北に位置する敵国。